マイクロ法人の設立費用はいくら?株式会社と合同会社の法定費用を2026年11月の制度で総額計算

結論:自分で手続きして電子定款を使う場合、国や公証役場に払う費用(法定費用)は、株式会社で約16.5万円から、合同会社で約6万円からです。

株式会社は、定款の認証手数料と登録免許税の最低額15万円がかかります。合同会社は認証が不要で、登録免許税の最低額は6万円です。特定創業支援等事業の証明書があれば、登録免許税が半分になります。ただし軽減は2027年3月31日までの登記が対象です。専門家に頼む報酬やハンコ代などは、別にかかります。

「マイクロ法人は設立にいくらかかるのか」は、最初に知りたいことのひとつです。この記事では、公証人連合会・法務省・国税庁・e-Govの原典をもとに、決まっている費用を表にしました。運営者は司法書士でも税理士でもないため、登記書類の作成や、あなたの会社の個別の見積もりはしません。ここで扱うのは、制度の一般的な金額です。

設立費用は「法定費用」と「それ以外」に分かれる

会社を作る費用は、大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。

  • 法定費用:法律や政令で金額が決まっている費用です。定款の認証手数料、収入印紙、登録免許税などで、誰が手続きしても同じ金額です。
  • それ以外:法人の実印の作成費、書類の取得費、専門家への報酬、オンライン設立サービスの利用料などです。選び方や依頼先で金額が変わるため、この記事では固定の金額は示しません。

先に決まっている費用の合計がわかれば、資本金をいくらにするか、専門家に頼むかどうかを、落ち着いて考えられます。以下の金額は、2026年11月4日時点の制度での一般例です。

株式会社の費用:定款の認証手数料と収入印紙

株式会社は、公証役場で定款の認証を受けます。手数料は資本金の額で決まります(日本公証人連合会 手数料)。

資本金の額 定款認証の手数料
100万円未満 3万円(下の3つの条件をすべて満たすと1万5,000円)
100万円以上300万円未満 4万円
上記以外 5万円

2024年12月1日の改正で、資本金100万円未満の株式会社の手数料が、次の3つをすべて満たすと1万5,000円になりました(日本公証人連合会 定款手数料の改定)。

  • 発起人が全員自然人で、3人以下であること
  • 定款に、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があること
  • 定款に、取締役会を置く旨の記載がないこと

ひとりで、小さな資本金で作るマイクロ法人は、当てはまることが多い条件です。ただし、資本金を100万円ちょうどにすると「100万円未満」から外れ、手数料は4万円になります。

また、定款に資本金の額が書かれていない場合は、設立時に出資される財産の価額が基準になります。「設立時の出資の最低額」を書いた定款は、5万円の区分になると公証人連合会は説明しています。

合同会社は定款の認証が不要です。

収入印紙は、紙の定款なら4万円・電子定款なら不要

定款は印紙税の課税対象で、税額は4万円です。株式会社・合同会社などの設立時に作る定款の原本が対象です(国税庁 No.7141)。

日本公証人連合会は、株式会社の定款について「電子定款の場合は、印紙は不要」と案内しています。電子定款には、電子署名などの準備が必要です。自分で行うか、サービスや専門家に任せるかで、手間と別の費用が変わります。

合同会社の紙の定款にも印紙税がかかります。電子で作る場合の扱いは、作成方法を決めるときに、依頼先や税務署で確認してください。

なお、認証を受けた定款の謄本をもらうときの交付手数料は、別にかかります。公証人連合会の表では、公正証書以外の書類の謄本は、紙で1枚250円、電磁的記録で1件2,000円です。定款がどちらの区分に当たるかは、申込む公証役場に確認してください。

登録免許税:資本金の0.7%、ただし最低額あり

会社の設立を登記するときに、法務局へ登録免許税を納めます。税額は、登録免許税法の別表第一に定められています(e-Gov 登録免許税法)。

  • 株式会社:資本金の額の0.7%。計算した額が15万円に満たないときは15万円
  • 合同会社:資本金の額の0.7%。計算した額が6万円に満たないときは6万円

資本金が小さい間は、いつも最低額になります。計算すると、0.7%が最低額を上回るのは、株式会社で資本金がおよそ2,143万円を超えるとき、合同会社でおよそ858万円を超えるときです(運営者の計算)。マイクロ法人で、資本金を数百万円までにする場合は、最低額と考えて大丈夫です。

3つの例で総額を見てみる

資本金が違う3つのケースで、法定費用を合計しました。電子定款を使い、自分で申請した場合の例です。登記事項証明書などは含んでいません。

ケース 認証手数料 登録免許税 合計 軽減を受けた場合の合計
株式会社・資本金50万円(上の3条件を満たす) 1万5,000円 15万円 約16.5万円 約9万円
株式会社・資本金100万円 4万円 15万円 約19万円 約11.5万円
合同会社・資本金100万円 なし 6万円 約6万円 約3万円

紙の定款で作る場合は、これに収入印紙4万円が加わります。軽減後の金額は、次の章の証明書がある場合です。

表のとおり、資本金を50万円から100万円に増やしても、登録免許税は変わりません。差が出るのは、株式会社の認証手数料が1万5,000円から4万円になる分です。資本金は、事業に必要な運転資金から逆算して決めるのが基本で、費用の差だけでは決めないほうが安全です。

株式会社と合同会社のどちらにするかは、費用だけでは決まりません。信用面や将来の希望も含めて考えます。設立全体の流れはマイクロ法人の作り方で整理しています。

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登録免許税を半分にする制度には、期限がある

市区町村の「特定創業支援等事業」による支援を受け、証明書を取ると、株式会社・合同会社の設立の登録免許税が軽くなります。株式会社は資本金の0.35%(最低7万5,000円)、合同会社は0.35%(最低3万円)です。

注意したいのは期限です。租税特別措置法第80条第3項では、この軽減は「令和9年3月31日までの間に登記を受けるもの」に限られています(e-Gov 租税特別措置法)。つまり、2027年3月31日までに登記を受ける必要があります。2026年11月4日時点では、残りは約5か月です。

証明書は登記の前に必要で、支援の受け方は市区町村ごとに違います。講座の期間や、証明書が出るまでの時間も見込む必要があります。制度の中身は特定創業支援等事業とはで、軽減の根拠は中小企業庁のページで確認できます。今後の延長の有無は、運営者にはわかりません。期限が近い方は、市区町村の窓口へ早めにご相談ください。

法定費用のほかに見ておく費用

  • 登記事項証明書:設立後に、銀行口座や取引先への提出で使います。法務省の手数料は、書面請求が1通600円、オンライン請求で送付が520円、窓口交付が490円です(2025年4月1日から。法務省 登記手数料)。
  • 法人の実印・書類の取得費:金額は購入先や自治体で変わります。発起人の印鑑証明書の手数料は、お住まいの市区町村で確認してください。
  • 専門家への報酬:司法書士に登記を、税理士に税務を頼む場合の報酬です。事務所ごとに違います。登記書類の作成は司法書士の業務で、この記事では代行しません。
  • 設立後の毎年の費用:法人都民税の均等割などは、赤字決算でも申告・納付が必要だと東京都主税局は案内しています(東京都主税局)。社会保険の負担はマイクロ法人で社会保険料が変わる仕組みで整理しています。

まとめ

設立の法定費用は、株式会社で約16.5万円から(認証が1万5,000円になる3条件を満たし、電子定款で自分で申請した場合)、合同会社で約6万円からです。登録免許税の軽減は2027年3月31日までの登記が対象で、使えるかどうかで差が数万円出ます。資本金・会社の形・定款の作り方は、費用以外の事情も含めて、司法書士や税理士に確認してから決めてください。

免責・一次情報

本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務・登記・法務に関する助言ではありません。登記書類の作成や、特定の会社の見積もりはしていません。具体的な手続きは、司法書士・税理士などの専門家と、公証役場・法務局・市区町村にご確認ください。補助金や軽減措置の適用を保証するものでもありません。内容は2026年11月時点の情報で、一次情報を確認しています。